EG-Lab.特別講座 松浦ゼミナール

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更新日 2015-08-30 | 作成日 2008-06-12

EG-lab.特別講座 松浦ゼミナール 第1回

テーマ:「ジェロントロジー はじめの一歩」

 ~特別講座のダイジェスト~

1)ジェロントロジー(加齢学)とは?

歳をとってから超高齢社会の問題を考えてはいけない

 日本の医療制度や保険制度は世界に誇れるものであり、生活環境も清潔で、何でも食べられるのが日本の水準であるが、高齢社会に対する対応は「対処療法的」で、高齢者をどう扱うかに力点が置かれ、根源的な問題への取り組みが薄い。
 例えば「生活習慣病」は、国や社会が根源的な問題に気づき、予防的な対応にシフトしつつあります。超高齢社会への対応も根源的な問題をとらえた「予防療法的」な対応に、私たち自身が取り組んでいく必要があります。

ジェロントロジー(加齢学)のめざすこと

高齢社会を予防療法的に捉えるために必要な考え方の一つが、ジェロントロジー(加齢学)だと思います。ジェロントロジーは学際的な学問とも呼ばれますが、様々な専門的な知識・学問を縦割りの知識とすれば、ジェロントロジーは言わば横断的、横串的な知識・学問です。もちろん全ての領域を常に考慮して行動するということでなく、必要な知識を必要な割合で上手く組み合わせながら、問題を先取りし、解決策を見出すといった考え方と捉えた方がいいでしょう。
また、ジェロントロジーは「歳をとっても、元気で豊かに生き続ける」ことを研究・教育を通じて推奨しています。言い換えれば「生きがいの科学」であり、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を目指す加齢研究なのです。

加齢研究の範囲と恵比寿ジェロントロジー研究室が捉えるべきテーマ

加齢研究のテーマは、健康、心理、労働、退職、家計・経済、住居、死・スピリチュアル、医療、介護、社会保険等など多義にわたります。
日本のあるデータによれば、男性の場合、社会への積極的な参加、組織に属していることが、長寿の条件として表れており、反対に高齢独居生活者の死亡率が高いとされているそうです。人間は根本的に社会性の強い動物で、社会に参加せず、一人だけで長生きすることは難しいようである。
このような意味において私たちが「どこに住むのか」、「誰と住むのか」、「どのような住まいに住むのか」、「どのように住むのか」が大きな「健康な加齢」」の条件になるのです。
日本の家は、高度成長期には建物としての性能、快適性、利便性にその力点が置かれていましたが、健康で歳をとり、幸せに生涯を終える住まいの環境が今もとめられているのではないでしょうか。

2)100歳住宅に向けて

  ― 講義内容は割愛 ―

3)質疑応答

  • Q:予防療法的にジェロントロジーを取り入れるにはどうすべきか?
  • A:一朝一夕では進まないが、小学校ぐらいから総体的な教育を施すことと、勉強の仕方、思考方法に予防的な考え方思考を教えていく必要があると思う。
  • Q:「歳をとっても、元気で豊かに生き続ける」とは具体的にどうゆうことか?
  • A:自分に置き換えて考えてみると「生理的」「物理的」「精神的」に自立しているということではないでしょうか。いわばジェロントロジーはどうすれば高齢者(予備軍含め)が自立できるかがテーマだと思います。
  • Q:このような講義を受け、ジェロントロジーの必要性やジェロントロジー的な視点は理解できたが、どのように個人レベルの行動におとしこめばよいのか?
  • A:まず個人の生活レベルに絞って考えるならば、生涯設計プランをちゃんと作ることでしょう。
  • 具体的には、1)ライフスタイルの参考・憧れになる事例を見る
  •       2)自分史の確認(思考・視点・環境・つながり等)
  •       3)自分なりの目標(1,2を踏まえ、今から死ぬ時までの設計)
  • 3番目の目標は、一度作った何が何でもそれに固執するのではなく、どんどん新しいプランに描き直して良いと思います。そうすると高齢になっても、取り組まなければならないことがどんどん生まれてくるはずです。
  • Q:高齢になればなるほど社会とつながるためには、「美しさ」が重要な気がします。しかし、高齢者で「美しさ」(イケメンや美人というわけではない)を維持できるのは一部の人に限られると思うのですが、「美しさ」を維持できない場合はどうしたらいいでしょうか?また、「美しく老いる」ためには何をすべきでしょうか?
  • A:社会とつながりを持つということでは、華美でなくても小奇麗にしているのは必要だと思います。化粧や服装、香りなどは世代によっても好みが違うので、今の90歳台の方が、30歳代の化粧や服装をする必要は全くないのですが、社会とつながりを持つための気遣いがあればよいのではないでしょうか。これは女性に限らず男性も同様で、食生活の変化などから日本人の体臭も変化していると言われています。加齢臭という言葉がよく聞かれますが、そういったことへの自分なりの配慮・気遣いが求められているのだと思います。