EG-Lab.特別講座 松浦ゼミナール

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更新日 2015-08-30 | 作成日 2008-06-12

EG-lab.特別講座 松浦ゼミナール 第2回

テーマ:
「ユニバーサルデザインのための人間工学的アプローチ」

 ~特別講座のダイジェスト~

1)ユニバーサルデザインのための人間工学的アプローチ

~人間工学の基礎知識~

人間工学とは?

 今後、EG-Lab.特別講座でユニバーサルデザインを取り上げて講義を進めていきますが、その前にその前提となる人間そのものをどのように捉えるかを理解するために、人間工学について説明したいと思います。人間工学はジェロントロジーと同様に学際的な学問、横串の学問とも呼ばれたりします。そしてまた、ジェロントロジーやユニバーサルデザインとも共通するのですが、人間工学はアプローチやプロセスの手法であって、目的や対象そのものではありません。
 では、「建築・室内・人間工学(鹿島出版会)」をテキストにしながら講義を進めます。

人間工学の考え方

 さて、「人間」と「工学」という相反したものが一緒になっている人間工学ですが、人間が道具を使い、そして簡単な機械を使っている頃は、大した問題は起こらなかったのですが、機械が急速に進歩すると、人間が機械に隷属するという姿が生まれてきました。さらに機械が進歩するにつれ、ますます人間と機械のギャップが生じ、交通事故などの悲劇的な災害が頻繁に発生するようになってきました。
 そこで、機械に人間を合わせるのではなく、人間を中心に捉え、機械や道具を作るべきだという考え方が起こってきました。それにはまず、「使う側の人間というものをよく知って、それに適合するように機械や道具を設計しなければならない」それが人間工学の基本的な考え方なのです。
 では、学問としての人間工学はいつ誕生したのか? 道具や機械を使いやすく工夫するという行為は昔から脈々と行われてきたことだと思いますが、科学的な基盤に立って学問として人間工学が誕生したのは、第二次大戦以降にアメリカ軍事上の要求から生まれてきました。

日本の人間工学

 アメリカに始まった人間工学ですが、アメリカではHuman engineeringという呼ばれており、文字通り人間と機械のインターフェイスを考える学問だと言えます。一方ヨーロッパにおいてはエルゴノミクス(Ergonomics)と呼ばれ、ヒューマンエンジニアリングとは呼ばれていない。この言葉は、ギリシア語の作業を意味するErgonと管理または法則を意味するNomosを合わせた言葉だといわれています。
 日本においては1920年ごろから心理学界において「人間工学」という言葉が使われていましたが、今一般に言われる「人間工学」とは別のものでした。現在の人間工学が日本に広まったのは、やはり戦後のことになります。
それぞれの人間工学の特徴を簡単に言ってしまうと、アメリカの人間工学は工学にやや重点が置かれ、ヨーロッパでは人間科学の方に重点があると言われています。日本はというとそれらの中間に位置すると言われています。

人間工学の応用

 人間工学を具体的に応用する分野は、「環境」「安全」「作業」が基本的な分野です。「環境」は人間(の機能)が快適に働きうる範囲を見出して、その環境を設計していくこと。「安全」は災害や事故を発生させないため、人間と機械との不適合を無くした設計。「作業」は空間的な位置の違いにより、人間は作業能率に差が生じる。そのため不適当な作業位置は能率の低下、事故の発生を招きやすい。そのような不具合が発生しない適切な位置を設計していくことと言えます。
 また、人間工学は飛行機や自動車といった複雑な機械との人間のインターフェイスだけではなく、日常の生活の中にも色々存在します。そのため、人間工学は「使い勝手の科学」とも呼ばれたりします。つまり、人間工学とは、機能、性能、デザインの使い勝手の良い条件を探す科学なのです。

人間工学の方法

 では、具体的に人間工学を応用する際、どのように調査や研究をすすめるのか?詳しくはここでは説明しませんが、目的に応じて4つの調査方法があります。
① 心理学的測定方法
② 動作―時間研究
③ 人体計測
④ 生理学的測定
 これらの調査研究に基づき機能、性能、デザインの使い勝手の良い条件を探していくことが人間工学視点のアプローチということです。



2)インテリアのための人間工学視点

  ― 講義ポイントの抜粋 ―

  • ●人間工学で行う人体計測は骨の位置を基準とする
  • ●なぜなら骨の組成で人間の動きが決まる
  • ●骨は筋肉の伸び縮みによって動く
  • ●人間の採寸の場所は国際的に決まっている
  • ●姿勢寸法が物のサイズを決める(例えばパーテションの高さ)
  • ●家具の機能分類は「人体系」「準人体系」「建物系」に分類できる
  • ●座骨点(座位基準点)から快適な椅子の設計を行う
  • ●イスに座布団を敷いて座ると着座位置がズレかえって疲れることがある
  • ●ベッドとイスは機能分類上全く別物。

                    など



3)質疑応答

  ― 質疑応答内容は割愛 ―