ジェロントロジストを求めて各分野の先駆者に独自の視点でインタビュー

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更新日 2015-08-30 | 作成日 2008-06-12

研究探訪 VOL.2

ジェロントロジストを求め各分野の先駆者に、室長が独自の視点でインタビュー。
第2回目は倉田 浩さん

不可思議な魅力を有した方です
倉田 浩先生

倉田先生

実際の年齢より心の年齢の若い方

倉田浩先生のユーモアにあふれた話し方は、初対面の人でも何か暖かい気持ちにさせてくれます。私が先生とはじめてお会いしたのは、数年前、私の勤める大学でシンポジウムの講演依頼でお訪ねしたときのことです。テーマは室内空気環境のカビ・ダニの問題でした。
一般的にシンポジウムは硬い進行で、ためにはなるのだが、面白くないのが普通なのですが、先生の独特な話し方は聴衆の心を捉え、会場からの質問も活発で、大変面白かった。先生の講演は新しい情報と参加の楽しさを提供してくれる、一度で二度おいしかったのを覚えています。以来、二、三度お目にかかりましたが、真面目な批判も笑いネタの話しもどんなことでも笑顔で飄々としてお話になられる。先生の印象は「不可思議な魅力の人」でありました。
先生は今年で86歳になられますが、車の遍歴やヨーロッパ風のおしゃれなどを総合すると、時代の空気をしっかり読まれていられることが分かります。たぶん、先生は「実際の年齢より心の年齢がはるかに若い」のだと思います。

植物病理学の第一人者

倉田先生の専門は、植物病理学です。簡単に言うと、倉田先生植物に寄生する病原真菌が植物の生育にどう影響するかを解明する学問で、小麦の立枯病の発生メカニズムや大豆の病害調査などの研究をなされ、カビ・ダニの生態の専門家でもあられます。
植物病理学者としては、大豆の研究で、菌学的検索により新病害を発見し、学名を「Sphaceloma glycines Kurata et Kuribayashi」と銘々されました。先生からカビが人体の脳や肺に繁殖したスライドを見せられたことがありますが、その恐ろしさを通し、現代住宅の室内空気環境の安全性を改めて見直す必要を教えられました。



人と神に仕える

先生の実像を見る上で、先生のご両親の存在を抜きにしては語れないでしょう。現代日本においては、親子関係は風前のともし火で、親が子供の一生の精神的柱になる例は非常に少ないように思われます。
先生のご両親は敬虔なクリスチアンで、先生ご自身も熱心な信徒で、倉田家の「家訓」(家訓は現代においては大切な家族の絆)は「人と神に仕える」だそうです。倉田先生の精神的な支柱はここであると感じています。
親のすごさは、子供を一人前に育て上げるとともに、齢を重ねて残りの人生を生きる心を育んでくれることにあり、それは後になって分かることです。倉田先生のご両親はまさにその役割を果たし、それが先生の「不可思議な魅力」を形成したのだと思います。お年を召しても何か他人に暖かい心を感じさせ、ご自身でも静かで楽しい気持ちで加齢していく姿は、ひとつの「Successful Aging」であるといえます。

(写真:谷口とものり

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倉田 浩 博士(農学)


株式会社GSI クレオス(旧グンゼ産業株式会社)社長室顧問
横浜文明堂製菓株式会社 技術顧問
有限会社 ビーゴ代表取締役

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